初詣での出会い
三が日に、都内で初詣をした。
参道では、たくさんの人が行き交い
焼きそば、お好み焼きなどの屋台が脇をかため
威勢のいい呼び込みの声が響き
食欲をそそる匂いが漂ってくる。
普段は慌ただしく仕事をしているであろう人も
家族と幸せそうにゆったりと歩いている。
朝の満員電車は、ギスギスしていて苦手だが
参道を賑わす人々のなかにいるのは
人々の緩やかな気持ちが伝わってきて心地がいい。
山に戻ってから、山麓の神社にお参りをした。
三が日が終わったからなのか
山麓の神社には、誰一人いなかった。
この神社は、集落からずっと山の奥に入ったところにあるため
誰もいないと、少し心細い。
それでも、新しいしめ縄が張られていることから
新年の雰囲気が漂っていた。
神社の脇の方に佇む小さな石仏に目がとまる。
説明書きが何もない苔むした石仏。
苔で何が彫られているのかわからないが
紙垂の間から見せる顔から
狛犬とは対照的な深い静けさを感じた。
脇の方で静かに佇む在り方から
「自分が自分が」という「我」が少しも感じられない。
そのような在り方に憧れる。
名も無き小さな石仏に出会えてよかった。
一年の始まりの良き出会いに、感謝。
投稿者 haruki : 2009年01月05日 16:49